常時疲れてしまって、それを回復出来ないが故に、倦怠感や眠気が消えない

甲状腺が弱ると、新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンの分泌が衰えますから、心身にパワーがなくなり、一日中怠いとか、眠いという症状が続きます。
それは何となく納得出来るというものですが、実は実は、甲状腺が元気すぎても同じような症状が見られるのです。
そこで、それもまた「甲状腺機能亢進症」と呼ばれる難病の一種。
そして、その代表格が「バセドウ病」です。

 

でも、一体全体なぜ、新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌量が多くても、倦怠感や眠気を感じるのでしょうか?
普通なら、活動力に満ちあふれて、いつも元気なはずなのに、不思議に思いませんか?

 

実は、その答えは、甲状腺機能障害の一つである橋本病と正反対だと考えてもらえれば理解しやすい事でしょう。
因みに、橋本病というのは、甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンの分泌が十分に行えない病気です。
そのため、身体の新陳代謝が鈍く、常にパワーが不足している訳ですが、バセドウ病は逆に、年がら年中新陳代謝が行われています。
そうなると今度は、一日中激しい運動をしているのと同じ状況が体内では繰り返されていて、就寝中も走り回っている感じ!
これでは、心身を休める事が出来ません。
そのため、常時疲れてしまって、それを回復出来ないが故に、倦怠感や眠気が消えないという訳です。
よくよく考えてみれば、本人は寝ているつもりでも寝ていないのですから、年中睡眠不足でもありますし、しかたがないと言えばしかたがありません。
そして、そうした症状は特に、ほっこりする食後に顕著に表れるという訳です。

 

ただ、同じ甲状腺の異常である橋本病と、このバセドウ病との食後の眠気は、明らかに異なります。
新陳代謝が活発なバセドウ病の場合は、常に全身を血液が駆け回っていますから、冷えやむくみはなく、反対に、いつも体がポカポカしている状態。
そのため、37.5度ほどの微熱と発汗を伴い、かなりの動悸も見られます。

 

つまり、怠くて眠くてたまらず、さらに体が熱くて汗が出て来るというような症状が続けば要注意!
自分の脈拍をチェックしてみると、人より早い事に気付くかも知れません。
そして、気付いたらすぐに専門医を受診する事が必須です。
今やバセドウ病は、日本人の1,000人に一人はいると見られていて、特に中高年の女性に多いところから、更年期障害の一つと勘違いされやすいのですが、更年期なら、一定期間を過ぎれば徐々に回復します。
けれど、バセドウ病となると、そうは行かず、加齢とともに益々悪化するものですから、放置しておく事は出来ないでしょう。
さらに、男性でも発症のリスクは決して低くはありません。
体は冷えるより温まる方がいいなんて気楽に考えず、早期発見による早期治療が大切なのです。